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ゴルフの健康効果とは


「ゴルフのプレー頻度がゴルファーの健康や生活に及ぼす影響」より引用


ゴルフのプレー頻度がゴルファーの健康や生活に及ぼす影響(結論)静岡理工科大学 富田寿人先生


中高年男性に人気の高いゴルフですが、ゴルフを一生懸命にプレーすると健康にどんな効果があるのかを証明した研究は非常に少ないのが現状です。そこで、本調査の目的は、中高年者の体脂肪や血液検査項目そして日常生活の身体活動量や健康意識にゴルフのプレー頻度がどんな効果を及ぼしているのかを調査することでした。

対象者は愛知県内のパブリックゴルフ場(名古屋広幡ゴルフコース、森林公園ゴルフ場、名古屋港ゴルフ倶楽部)の会員となっている中高年男性64 名と静岡県袋井市内に在住する中高年男性12 名、合計76 名でした。

彼らの平均年齢は68.4 歳、平均身長166.6cm、平均体重64.2kg、平均腹囲82.3cm でした。

この76 名をゴルフのプレー頻度で3 つのグループに分けました。@ゴルフのプレー習慣の無いグループ(15 名:NGグループ)、

Aゴルフ・ラウンドを月に3回までしかプレーしないグループ(26 名:MGグループ)そしてBゴルフ・ラウンドを
月に4 回以上行うグループ(35 名:HGグループ)です。その結果、身長、体重、体脂肪量、筋肉量などの体格にはグループの間に差がないことがわかりました。

しかし、グラフのように総コレステロールは、NGグループの平均値226.1mg/dl に対してMGグループ204.2mg/dl,HGグループ194.4mg/dl とゴルフをよくしている人達の方が低くなりました。

また、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)も、NGグループの平均値が149.7mg/dl に対してHGグループは118.5mg/dl と低い値になりました。さらに、中性脂肪(トリグリセリド)でも同じような結果が得られました。

つまりこの結果は、高頻度でゴルフをプレーしている人達は血液中の脂質が良い値を示しており、動脈硬化を引き起こしにくく、ひいては脳血管疾患や心疾患になりにくいことを示しています。

また、全員の1 週間の身体活動量を測定し、1 日あたりの活動量にして比較してみると、1 日の歩数は平均で
NGグループ7703 歩に対して、MGグループ9582 歩,HGグループ9099 歩と高い数値でした。年齢的なことを考えても、ゴルフをする人達が日頃からよく歩いていることがわかりました。

また、歩数が多いためか、1 日の運動量や活動時間も同じような結果を示していますなかでも注目したいのは、1 日あたりの速歩運動の時間です。MG,HGグループの人達は1 日の中で速歩きに相当するような運動を30 分弱していることがわかったのです。

つまり、ゴルフをよくする人達は毎日たくさん歩くだけでなく、速足で歩いているか、それに相当する強めの運動をしているということです。

その結果、1 週間の運動量は相当な量に達するため、内臓脂肪を確実に減少させ、メタボリック・シンドロームの予防・改善ができると思われます。

さらに、このような運動の強さは心臓や肺に適度な刺激を与えるため、健康づくりにも最適と言えるでしょう。

本調査から、ゴルフを習慣的に行う中高年の方々は、健康意識が高く、日常の生活の中でも1日一万歩を概ね達成しており、週あたりの運動量も高いレベルにあることが明らかとなりました。これは、ゴルフをプレーしていることが引き金となって、日常の生活改善や健康意識の改革が行われているためと思われます。

また、ゴルフをよくプレーする人達の総コレステロールやLDLコレステロールの値は、ゴルフ習慣を持たない人達に比べ明らかに低い値を示したことから、ゴルフ習慣を持つことは、動脈硬化を予防し、脳血管疾患や心疾患の発症率を低下させることに有効であると思われます。

さらにこの効果を高めるためには、健康的な生活をしていることを基本として、ラウンドする時はカートに乗らず歩いてプレーすることが大切です。

これによって、メタボリック・シンドロームや生活習慣病の予防・改善、そして体力低下の予防・改善ができると考えます。


公益社団法人日本パブリックゴルフ協会 より引用


平成22年度 調査・研究事業報告書

「ゴルフのプレー頻度がゴルファーの健康や生活に及ぼす影響」
(詳細報告)


目的

本調査はゴルフのプレー頻度が異なる60 歳以上の被験者を対象に、血液検査、日々の身体活動量、身体組成等を調査し、ゴルフが健康の保持増進に結びつく効果を明らかにすることが目的である。

被験者の選定

被験者は60 歳以上とし、日頃からゴルフ習慣がある男性64 名と運動習慣が無い男性12 名の合計76 名を選定した。

調査方法

1.グルーピング

被験者76 名を3 グループに分け、各調査から得たグループごとの平均データを比較・分析した。

グルーピングの条件は、ゴルフ習慣が無いNGグループ(Non Golfer)、ゴルフを月に3 回までプレーする
MGグループ(Middle Frequency Golfer)、ゴルフを月に4 回以上プレーする、またはラウンドは月に2〜3 回であるが練習場に月10 回以上通うHGグループ(High Frequency Golfer)とした。

2.調査項目

(1) 血液検査

(2) 身体活動量測定

株式会社スズケンの生活習慣記録機「ライフコーダ」を被験者の腰に装着し、1週間の身体活動量を測定した。

「ライフコーダ」とは、各日の歩数や運動強度等をより正確に捉えられる生活習慣記録機であり、一般的には歩数計と認知されやすい機器であるが、医療業界では糖尿病患者等を対象に医師から配布されている活動量計である。

(3) 身体計測

被験者の身長、体重、胸囲、体脂肪率等を計測。

(4) アンケート調査

主に健康意識とゴルフ頻度について調査。

3.統計処理

アンケート以外の測定値については、平均および標準偏差を求め、グループ間の平均値の差の検定については、
t−検定を用いて有意性を判定した。有意水準は危険率5%以下(p<0.05)とした。アンケート調査については、回答数と回答率を求めた。

結果および考察

1.血液検査結果

表1.の総コレステロール、LDL コレステロール、中性脂肪は血液中の脂質量を示す項目であり、特にLDL コレステロールや中性脂肪が基準値を上回る状態が続くと動脈硬化が促進され、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす危険因子と言われている。

基準値120〜220mg/dl の総コレステロールにおいては、ゴルフ習慣が無いNGグループは平均値226.1mg/dl を示したのに対して、ゴルフ習慣がある他2グループはMGグループが204.2mg/dl、HGグループが194.4mg/dl と共に基準範囲の数値であった。

また、悪玉コレステロールと呼ばれるLDL コレステロールや中性脂肪の値も同様に、ゴルフ頻度が高いグループほど低い数値を示す結果となった。

この結果から、高頻度でゴルフをプレーすると血中脂質が改善され、動脈硬化を引き起こしにくいと予測できる。

従って習慣的にゴルフをプレーすると、脳血管疾患や心疾患の予防に効果的だと考えられる。

表1.グループごとの血液生化学検査結果(平均値)

総コレステロールLDLコレステロール中性脂肪

mg/dl mg/dl mg/dl

226.1 149.7 135.7

204.2 123.0 124.7

HG 194.4 118.5 106.9
MG
NG

2.身体活動量の調査結果

1日の平均歩数はNGグループが7,703 歩に対してMGグループは9,582 歩、HGグループは9,099 歩と、
ゴルフ習慣がある2 グループは厚生労働省が示した1日1万歩の目標値に近い数値を示した。

澁谷ら1)は老人福祉センターに通う人を対象に1 日の歩数を調査したところ、70歳以上では男性8,075 歩、女性7,902 歩であると発表した。

また、平成9 年の国民栄養

160
180
200
220
240
260
280

NG MG HG
T−Cho (mg/dl)

図1. 総コレステロール
80
100
120
140
160
180
200
NG MG HG
LDL−C (mg/dl)
図2. LDLコレステロール

調査2)では、成人男性で8,202 歩、女性で7,282 歩(70 歳以上では男性5,436 歩、女性4,606 歩)が日本人の歩行の現状であり、1 日1 万歩以上を達成している割合は成人男性で29.2%、女性で21.8%であると報告した。一方、2000 年に策定された

“健康日本21”3)では、国民の生活習慣病の予防および健康づくりを推進するため、日本における歩行の現状を踏まえて国民の1 日の歩数を1,000 歩から1,300 歩増やすことを目標に掲げた。

以上の報告を踏まえると、1 日に約9,000 歩から9,500 歩を達成しているMGグループ及びHGグループの被験者は、この目標値を達成しており、適度な歩行運動を日常に行っていることが分かる。

表2.グループごとの身体活動量(平均値)

歩数運動量歩行運動速歩運動

歩/日Kcal/日分/日分/日

7,703 201 60.9 19.3
9,582 264 68.0 28.8
HG 9,099 237 67.9 25.8
MG
NG

表2.で注目したのは、1日あたりの速歩運動の時間である。MGグループ及びHGグループは、ゴルフ習慣が無いNGグループより速歩運動/日の時間が長く、1日で30分弱、つまり週に約3 時間は4 メッツ相当の運動強度があると言われる速歩運動を行っていた。

運動を!」の3 倍に相当する運動量だ。

また、運動指針の中では内臓脂肪を減少させるためには、週に10 エクササイズ程度かそれ以上の運動量が必要であり、この運動量を維持すると食事の量が一定であれば月に1%から2%程度の内臓脂肪を減らすことができると報告した。

さらに4 メッツ以上の高い運動強度を維持すると呼吸循環系に適度な刺激を与え、健康づくりに非常に重要であると考えられている。

5000
7000
9000
11000
13000
15000
NG MG HG
平均歩数(歩/日)
図3.各グループごとの1日の平均歩数
10
20
30
40
50
60
NG MG HG

速歩運動の時間(分)

図4. 1日あたりの速歩運動の平均時間

3.身体計測結果とメタボリック・シンドローム診断基準

表3.の通り、肥満度を示すと言われている腹囲、体脂肪率、脂肪量及びBMI注1)は、各グループとも年齢的に判断して標準の範囲にあり、グループ間に有意な差は示されなかった。

表3.グループごとの身体計測結果(平均値)

年齢身長体重腹囲体脂肪率脂肪量BMI

歳p s p % s

67.1 167.9 65.0 81.6 21.0 13.8 23.1
68.9 166.1 64.0 82.0 19.9 12.8 23.2
68.7 166.3 HG 63.9 82.8 19.3 12.6 23.2
MG
NG

メタボリック・シンドロームの診断基準は胸囲が男性85 p以上、女性90 p以上に該当し、加えて

@高血糖(空腹時血統値110mg/dl 以上)、A血中脂質異常(中性脂肪150mg/dl 以上またはHDL コレステロール値40mg/dl 以上)、

B高血圧(最高血圧130mg/dl以上または最低血圧85mg/dl 以上)の@〜Bのうち、2 項目以上に該当する場合に
メタボリック・シンドロームと診断され、1 項目に該当する場合はメタボ予備軍に分類される。

【メタボリック・シンドローム診断基準】

+ 下記2項目以上がメタボ

1項目がメタボ予備軍

注1)Body Mass Index の略で、肥満度を表す指数。体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))で求められ、日本肥満学会では22 を標準、25 以上を肥満としている。
内臓脂肪型肥満

胸囲 男性85 p以上

女性90 p以上

(内臓脂肪面積100 平方p以上に相当)

@高血糖

空腹時血糖値110mg/dl 以上

A血中脂質異常

中性脂肪150mg/dl 以上、又はHDL コレステロール値

40mg/dl 以上

B高血圧

最高血圧130mg/dl 以上、

又は最低血圧85mg/dl 以上

4.アンケート調査結果

一般的にはメタボ対策として、運動のみで体重を落とすよりも食事制限も併せて取り組んだほうが、体重の減少がしやすく内臓脂肪の減少にも繋がると言われている。

表4.の健康作りに関する意識調査を実施すると、NGグループの「食生活に注意する」47%に対してHGグループは同66%を示し、「運動をする」の項目ではゴルフ習慣があるMGグループ、HGグループは共に60%以上の回答率だがNGグループは27%であった。

さらに表5.の「普段の生活から身体をよく動かすか」では、ゴルフ頻度が高いHGグループほど「動かす」、
「どちらかといえば動かす」と回答した被験者が多い

(回答率82%)という結果を得た。(NGグループ46%、MGグループ62%)

表4.健康作りに関する意識調査(回答率)

複数回答可

NG MG HG
食生活に注意する47% 50% 66%
運動をする27% 65% 60%
休養をとる33% 38% 37%
気分転換する27% 27% 20%
特になし13% 12% 6%
無回答20% 12% 9%
表5.普段の生活から身体をよく動かすか(回答率)
NG MG HG
動かす
どちらかといえば動かす
どちらともいえない20% 19% 20%
どちらかといえば動かさない
動かさない
無回答7% 8% 3%
27% 12% 6%
46% 62% 82%

ゴルフ習慣があるMGグループ、HGグループは身体を動かすために普段からゴルフ練習場に通う人も多く、
表6.と表7の通りHGグループでは、ほぼ毎日練習場へ通う被験者(30 回/月)がいれば、練習場で600 球/日を打ち込むと回答した人もいた。

表6.1ヶ月の練習回数表7.練習場での平均打数

打数(球) MG HG

回数回答率回数回答率100以内19% 6%
0〜3回70% 0〜3回29% 101〜200 12% 41%
4〜5回19% 4〜5回12% 201〜300 23% 15%
無回答12% 6〜9回23% 301〜400 8% 14%
10〜19回21% 401〜500 0% 3%
20〜29回11% 501〜600 0% 3%
30回以上3% 無回答38% 19%
無回答1%
MG HG
北川ら5)は、スイング動作による消費カロリーをドライバーでの1 スイングにつき1.19kcal、5 番アイアンでは同1.11kcal であると報告している。
また、健康づくりの
運動指針2006 では、1 ヶ月で1 pの腹囲を減少させるためには、1 日当たり約230kcalが必要であると発表した。

これらのデータを踏まえると、練習場で200 スイングした場合、約200kcal 強のエネルギー量を消費したと言えるため、ゴルフ場でのプレーだけでなく、練習場でも十分な運動を図れるゴルフはメタボ対策に最適なスポーツの1 つだと考えられる。


ゴルフ場での1 ラウンドに要する歩数について、平松ら6)は平均13,000 歩から15,000歩、北井ら7)は約14,000 歩から18,000 歩と報告した。

参加者の年齢と歩数によってハンディキャップが決まる「PGSドリーム・エイジゴルフ大会」でも表8.と表9.の通
り、過去2 年の開催実績では平均14,000 歩以上を記録し、ゴルフ場でラウンドする際の歩数は約15,000 歩前後で、ほぼ一致した。

この平均歩数で速歩を継続した場合、時間にして1 時間30 分以上をかけないと達成できない数値であり、体格によって異なるものの少なく見積もっても500kcal の消費カロリーに相当するものと思われる。

そこにスイング動作、コースのアップダウン等の要素を加えた消費カロリーは1 ラウンドで700〜800kcal ほどあるものと推測される。

この消費カロリーは、成人男性が2 時間程度の軽めのジョギングを行った場合に相するものであり、歩いてラウンドすることの有効性を裏付けるデータである。


まとめ


アンケート結果並びに身体活動量調査では、ゴルフを習慣的に行う中高年者、その中でも特に高頻度でゴルフ場にてラウンドし、定期的に練習を行っている人達は食習慣の改善や運動実施などの健康意識が高く、さらに日常の生活の中でも1 日1 万歩を概ね達成しているため、週あたりの活発な運動量も高いレベルにあることが明らかとなった。

一方の血液検査では、ゴルフを高頻度で行う人達の総コレステロールやLDL コレステロールの値は、ゴルフ習慣を持たない人達に比べ有意に低い値を示した。従って、ゴルフ習慣を持つことは動脈硬化を予防し、脳血管疾患や心疾患の発症率を低下させることに有効であることが推察される。

健康的な生活をしていることを基本とした場合、ゴルフを習慣的に楽しむこと、並びにラウンドする時はカートに乗らず歩いてプレーすることは、呼吸循環系に適切な運動刺激を与え、消費カロリーを増大させることができ、メタボリック・シンドロームや生活習慣病の予防・改善に効果的だと考えられる。









引用文献
1)澁谷孝裕.地域高齢者の健康づくりにおける1日平均歩数の有用性について.日本老
年医学会雑誌 44(6): 726-733 (2007)
2)厚生労働省.平成9 年国民栄養調査 (1997)
3)厚生労働省.健康日本21 (2000)
4)厚生労働省.健康づくりのための運動指針2006〜生活習慣病予防のために.(2006)
5)北川薫ら.ゴルフのエネルギー消費量.ゴルフの科学8-1:p1-5 (1995)
6)平松携ら.ゴルフ・ラウンドスコアの歩行に関する研究.ゴルフの科学5-2:p27-31
(1992)
7)北井和利ら.ゴルフラウンドのスコアと歩数の関係.ゴルフの科学6-1:p27-30 (1992)